備忘録:なのはについて
前回「なのは」の記事を書いて、昔考えてた事とかがバーって蘇って来たので、備忘録的な意味で残しておこうかなと思います。
なのはって作品は何とも説明がし難いなと、個人的には感じるんですよ。
というのもやっぱりシリーズとして長い分、色々な要素が詰まっていて、見る人によって受け取り方も違うからだと思うんですが。
よくある「なのは」のイメージは、
・魔砲少女もの
・意外と熱血もの
・主人公最強
とかじゃないかなーと思うんです。
まぁ、間違ってはいないと思いますが、僕としてはまた違った視点からなのはを見て見たい。
映画だけを見て、なのはを追っていると人には中々分かりにくいと思うんですけど、「なのは1st」でなのはがフェイトに固執する理由って何だと思いますか?
よくあるヒーロー系主人公として、放っておかないとか、そういう理由が一番に思い浮かぶかなーと思うんですけど、実際はもうちょっと深いところに理由があったりします。
なのはがフェイトに固執する理由
映画でも一瞬映される、幼少期のなのはが誰もいない家で膝を抱えているシーンがあります。
恐らく、初見だと脈絡のなさに戸惑ってしまうんじゃないでしょうか?
冒頭で流れるなのはの家族シーンは、とても暖かな風景で、なのはが愛情を持って育てられてあることが分かります。
それなのに突然のあのシーン。なのはの過去に何かあったのかなーとは思いつつも、よく分からず流してしまうのではないでしょうか?
実はTV版やマンガ版だと語られるのですが、なのはが幼いころ、父親が病気に倒れて家が大慌てになっていた時期がありました。
母親はもちろん、お兄ちゃんもお姉ちゃんも父親にかかりきりで、幼いなのははあまり相手にしてもらえなかったようです。
決して誰が悪いというわけではなく、またなのは自身も幼な心にそれを理解していたため、苦言をこぼすことはありませんでしたが、一番構って欲しい時期にそういった家庭環境だったのは、なのはとしてはかなりトラウマに残っているようです。
さらに加えるならば、なのはの一家は実は有名な剣術を継承している一家だったりします。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、剣術に関してはとても才能があったのですが、なのはは全く才能がありませんでした。(運動が苦手と言ってるくらいですからね)
そんな自分に自信が無く、置いていかれる焦燥感と、にも関わらず平等に与えられる愛情に、むしろ劣等感を強く感じている女の子。それが魔法と出会う前の高町なのはという人間です。
だからこそ、誰かに頼られ、才能があると言われた魔法を極めたいと思ったのも、少女にはとって当然で、自分と同じように家族とのことで寂しい目をしているフェイトと「友達になりたい」と思ったのも、そういう理由があったからなんですね。
例の「友達になりたいんだ」というセリフは、なのはのそんな想いを表すとともに、なのはが決してヒーロー気取りの助けを求める人全員救ってやろう的な気持ちで、フェイトに接していなかったことを示しているという点で名シーンなのだと思います。
そんななのはが、いつの間にか完璧超人として描かれるようになったのには、何と無く「違うなー」という気持ちを抱いてしまいます。
特に前回も述べたように、なのReではなのはの心情があまり見えて来ず、なのはが単に強い魔法を扱える人間として描いてるように感じてしまって、「なのはらしいけど、なのはっぽくない」みたいな感想を持ってしまったわけです。
そしてそう考えると、なのはシリーズってかなり「家族」をテーマに扱っていることが分かるかと思います。
無印:なのはとフェイトの家族
Strikers:なのはとヴィヴィオ、フェイトとエリオとキャロ、機動六課メンバー、スバルとティアナの家族、ナンバーズ
Vivid:なのはとフェイトとヴィヴィオ、 はやて一家とミウラ、他たくさん(書ききれない!)
Force:スバルとトーマ
とまあ、思いつく限り書きましたけれども、こんな感じでなのはシリーズでは家族をテーマに扱ってることがよくわかるかと思います。決してドンパチやってるだけではないのです。
個人的には、なのはフェイトの二人から脈々と繋がれる、「家族」というものの在り方が巡り巡って、各シリーズの主人公に受け継がれていくって展開が本当に好きです。
バトルもド派手で、キャラも可愛くて、燃える展開と設定がある。文字に起こしてしまうと何だか簡単ですけど、それが全部詰まってる作品はそうないはず。
やっぱりなのはは最高だ!